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認定理学療法士・NST専門療法士がリハビリに関する内容を書くブログ

あなたは無事家に帰れますか?大腿骨近位部骨折後の退院先を見極めるポイント

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 骨折して入院、あなたは無事家に帰れるでしょうか?

高齢者は加齢に伴い、筋力やバランス能力が低下し転倒・転落の可能性が高くなります。そのため、不意に道や自宅で骨折しそのまま入院する可能性も高いんです。中でも大腿骨近位部骨折は、高齢者の転倒骨折で頻度が高いといわれる【四大骨折】の1つとも言われています。

 大腿骨近位部骨折の方に対するリハビリテーションを行う場面は多いですが、

対象者の方から「私はこのまま家に帰れるかね?」や「施設に入らんとダメかな~」などのご質問をよくいただきます。

私は急性期病院に勤務しており、手術してすぐの対象者を担当するため、術後早期からそのまま自宅退院か?回復期病院へ転院か?悩むことが多いです。

今回は、大腿骨近位部骨折術後の退院先(自宅または回復期病院へ転院)に関連する項目についてご紹介します。

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早速結論ですが、、これまでの報告では①年齢、②認知症の有無、③同居家族の存在、④運動能力が大きく関わることが分かっています。

①の年齢に関してはみな平等に年を取るわけで、、私たちがどうすることもできない

ところです。認知症の有無や③同居家族の存在もリハビリの場面で改善することは難しいため、④の運動能力に着目した取り組みを私は特に重要視しています。

近藤らは、大腿骨近位部骨折で入院した患者を対象に直接自宅退院をした群転院した群別の運動機能の特徴を調査しました。対象者は①入院前は自宅で生活し、移動が自立している(歩行補助具も可)②自宅に介助者がいる③認知症がない④重篤な合併症がない人を基準にしていました。

結果は、術後1週目における年齢、BMI、非術側膝伸展筋力体重比が自宅退院と関連することが分かり、

X=10.09+(-0.1×年齢)+(-0.28×BMI)+(0.1×非術側膝伸展筋力体重比)

Xが-20.4を下回ると転院する可能性が高くなることが分かりました。

BMIBMIが増加すると筋力体重比が下がりパフォーマンスが低下するBMIが高い人は活動量が低く、運動機能が低い傾向にある

非術側筋力:術側と比較して手術による炎症症状の影響を受けにくく、入院前の運動 機能を反映しやすい点

 以上の点から大腿骨近位部骨折の対象者はBMIや非術側筋力を確認することで退院先が予測できる可能性があります。

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先進医療の発展もあり今後も平均寿命は延び続け可能性が高いです。高齢者が増えればその分転倒、骨折を引き起こす数も増えることが予想できるので、大腿骨近位部で入院してくる対象の数は増えてくるのではないでしょうか?

日本は医療費の削減を進めており、これから入院期間やサービスの利用が縮小される可能性が高いです。

自分の家族も踏まえて将来を見据えた取り組みが必要になってくるかもしれませんね。

 

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文献

・近藤千雅他:急性期病院における大腿骨近位部骨折患者の退院先を予測する関連因子-術後早期の運動機能表による自宅退院群と回復期病院転院群の比較-.理学療法-技術と研究-.47:2019.43-48