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認定理学療法士・NST専門療法士がリハビリに関する内容を書くブログ

高齢者への筋トレって?~筋肥大よりも筋力を意識したトレーニングの必要性~

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高齢者への筋トレって何を目標にされていますか?

私が担当させていただく対象者は60歳以上の高齢な方が多いですが、リハビリテーションの中に筋力トレーニングを用いることは多いです。筋力トレーニングといえば筋肉を大きくする=筋肥大を目的にする方が多いと思いますが高齢者の場合はどうなのでしょうか?もちろん筋肥大を目指してリハビリを行うことは悪いことではないですし、それを目標にしている方もいると思います。私は筋肥大よりも筋力(特に神経因子)を上げることを目標にした筋トレを推奨しており、筋肥大は可能であれば・・・程度と考えていますが、その理由をご紹介できたらと思います。

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 私が神経因子に着目する理由は大きく2つです。

①筋面積と筋力の関係

②筋力トレーニングによる効果の違い

 

 ①筋断面積と筋力の関係

人間の骨格筋面積は20-30歳をピークに、その後加齢と共に減少していきます。
筋力も筋断面積と同様加齢とともに減少していくのですが、筋力の低下は筋断面積の減少よりその低下率が高いと言われています。

また、60歳以上の高齢者において筋肉量の減少を認めなくても筋力低下を認めている方

が2-3割以上いることも判明しており、筋力低下を見逃さないようにすることが高齢者の課題になっています。

私の職場でも地域在住高齢者の体力テストを定期的に実施しており(最近はコロナウイル

スの影響で行えていませんが)

 

②筋力トレーニングの効果

Ikaiらは健常男性に6回/週程度の筋力トレーニングを実施して筋力・筋断面積の変化を調査しており、100日後の筋力は介入前の92%向上したにもかかわ

らず筋断面積は23%程度の増加しかしないことを報告しています。

これはトレーニング開始初期の筋力向上が運動単位の向上や拮抗筋の抑制などの神経因子の機能アップが関連しているからと言われて

います。また、高齢者は若年者より神経因子が低下していることが非常に多いため、 筋力トレーニングを行うことで早期に神経因子改善→筋力向上に繋がる傾向があります。

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なるほど~。。じゃあどんな運動をすればいいのかな?

 私は全身を使うようなトレーニング(スクワットや片足立ちなど)を疲労感がでるまで

行っていただくよう対象者の方へお勧めしています。

全身を使うトレーニングは多くの筋肉を同時に働かせることが可能です。よって

少ない種目でも多くの筋肉を収縮することができ、効率よく筋力アップを図ることができます

また、疲労感がでるまで運動を行うことで低負荷の運動でも筋力・筋肥

大の効果を高める効果が期待できます。また、低負荷での運動は心肺や

関節への負担がマシーンなどを使用した高負荷運動より少なくすむため、高齢者の方に

適した運動方法だと思います。

 

最近はYOUTUBEなどのネットでトレーニング動画を載せているかたも多く、

医療の現場でもICTを用いた取り組みが進んできています。高齢者の対象者にもネットワークを用いた運動習慣の確立ができるよう、私自身も取り組んでいけたらと感じています。

 

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文献

横山茂樹:筋力トレーニングの効果-神経因子の改善と筋肥大の効果.PTジャーナル.52(5),

47-451.