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TUTを意識するだけで筋トレの効果は飛躍する~持続時間が筋肥大に及ぼす科学的根拠~

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TUTを意識すれば筋肥大効率が上がる

TUTって何ですか?初めて聞きました。

TUTとはtime under tensionの略で、「持続した筋緊張時間」と私は考えています。

持続した筋緊張時間??つまりどういうこと?

つまり、レーニングで筋肉が収縮している総時間のことを言うんです。

例えばベンチプレスを一回上げ下げするときに1秒かければTUTは1秒、5秒かければTUTは5秒になります。1レップあたりの時間を短くすれば回数が多くできますが、筋肥大のためにトレーニングをするのであればTUTを意識してレーニングをした方が効率的だと思います。

 目次

①TUTを意識する理由

②TUTと筋肥大の効果

③TUTを意識したトレーニング方法

 

①TUTを意識する理由

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TUTの延長が筋肥大に与える効果として以下の3点があげられます。

・筋肥大のホルモン分泌が向上する

・筋内の微細損傷が増える。

・高齢者の筋力向上に有効

レーニング中の筋肉収縮時間を延長させると男性ホルモンであるテストステロンやドーパミンなどの筋肥大を誘発するホルモンが増加すると言われています。また、収縮時間が長いほど筋肉の微細損傷を引き起こし回復に伴う筋肥大の効果を得やすいという利点もあるんです。

また、Ronらは¹⁾高齢者の筋力トレーニングの効果に関するメタ分析の中で、TUTを長くした方が筋力が有意に増加することを説明しており、加齢による筋力低下の影響を受けやすい高齢者にとってTUTを意識したトレーニングの重要性があるのかもしれません。

 

②TUTと筋肥大の効果

 Michalらは²⁾42名の男性(20-37歳、1年間以上のトレーニング経験あり)を対象にし70%1RMの重さでベンチプレスを施行しました。ベンチプレス施行時のスピードを3群に分け(高速4秒、中速8秒、低速10秒)実施回数と筋収縮時間を比較しました。結果、中速~低速のゆっくり動作を行ったほうが高速より筋肉の収縮時間が長いことが判明しました。また、Wilkらは³⁾低速で動作を実施した方がテストステロンや乳酸が多く分泌されることを調査しており、ゆっくり動作を行うことが運動学・生理学的にも筋肥大に有利なことが言えるんです。

なるほど~~。じゃあスロートレーニングみたいにゆっくり動作をするのが良いんだね。

そうだね。でも遅くするタイミングも大事なんだよ。

Schoenfeld BJらは⁴⁾求心性収縮(筋肉が縮まる)と遠心性収縮(筋肉が伸びる)での筋活動の違いを調査しており、遠心性収縮時を遅くする方が筋活動量や筋肥大の効果が高まることを報告しています。ベンチプレスでいえばバーベルを上げるときよりも下げるときの方をゆっくり行った方が筋肥大には効率的と言えます。

③TUTを意識した私のトレーニング方法

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以上を踏まえてトレーニングを行う際は

【遠心性収縮に4秒、求心性収縮を2秒10回】を1セットのメニューとして3-5程度行うことをおススメしています。

*注意点

ダンベルやバーベルなど重量物を扱う際は30回ギリギリできるくらいの負荷設定で行うことをおススメします。これより高重量の重さで行うと筋肉や靭帯などの関節を痛める可能性が高くなりますので、30RM程度の負荷で行う方が望ましいと思います。安全・効率的に筋肥大していけるよう私も頑張っていけたらと思います。

 

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文献

 

 1)Ron B,et al:Dose–Response Relationships of Resistance Training in Healthy Old Adults: A Systematic Review and Meta-Analysis.Sports Med. 2015; 45(12): 1693–1720.

2)Michal W,et al:Doer Tempo of Resistance Exercise Impact Training Volume?.Journal of Human Kinetics .vol6,2018.241-250

3)Wilk M,et al:Physiological responses to different neuromuscular movement task during eccentric bench press.Neuro Endocrinol Lett. 2018 Mar; 39(1):26-32

4)Schoenfeld BJ,et al:Hypertrophic Effects of Concentric vs. Eccentric Muscle Actions: A Systematic Review and Meta-analysis.J Strength Cond Res. 2017 Sep; 31(9):2599-2608.