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なぜ高齢者はサルコペニアになるのか?~加齢による身体の変化~

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病気になるには必ず理由がある、若いうちから対策しておきましょう。

サルコペニアという言葉はご存知でしょうか?

サルコペニアは【加齢に伴う骨格筋量や身体機能の低下した状態】と説明され、高齢化が進んでいる日本ではこの数が非常に多いと言われています。サルコペニアの人は骨折や肺炎などで入院するリスクが増大するだけでなく、ガンや心臓病などで死亡するリスクも増悪することが報告されています。

へぇ~サルコペニアって怖いんだね。僕もならない様にきをつけます。

本当にそうだと思います。近年ではサルコペニア対象者に対して運動や栄養などを組み合わせた介入を行い、サルコペニアを改善したという報告もありますが、多くの時間と費用がかかるのが現状で、現実的ではないんです。

サルコペニアを予防する取り組みが大切ですが、なぜなりたくもないサルコペニアに高齢者はなってしまうのか気になりませんか?

サルコペニアの原因には1次性と2次性に分けることができ本日は加齢が直接的な原因と言われる1次性サルコペニアの原因についてご紹介したいと思います。

 目次

①加齢による筋肉の変化

②加齢によるホルモンの変化

③加齢による変化を最小限に抑えるには?

①加齢による筋肉の変化

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老化は筋肉・神経構造に変化を与えます。加齢による筋肉への変化は以下の点です。

・筋芽細胞の減少

骨格筋の膜と線維の間には筋芽細胞(サテライト細胞)と言われる組織幹細胞が存在します。このサテライト細胞は骨格筋の再生能力を担っており、恒常的な筋合成だけでなくトレーニング後の筋破壊部分の修復などに作用するといわれています。この筋芽細胞は酸化ストレスの影響を受け、作用が低下する可能性があります。

福永らは、酸化ストレスと筋芽細胞との関係を調査した中で

筋芽細胞の細胞分裂と筋管細胞への分化に対し、酸化ストレスがそれぞれ独立して影響し、酸化ストレス負荷による筋芽細胞から筋管細胞へ文化への抑制は、文化段階で働き始める細胞内情報伝達経路への影響によるものと考えられた。

と報告しています。

筋芽細胞は酸化作用によって作用が低下する可能性があり、呼吸によって酸素を循環させる人間にとっては不可避なことかもしれません。

ミトコンドリアの減少及び機能低下

ミトコンドリアには、エネルギー産生があります。

例えるなら車を動かすためのバッテリー、電化製品を動かすためのモーターのように動力源の役割を果たしているんです。

そのためミトコンドリアの機能が低下すると筋肉を維持するだけのエネルギーが不足し、筋萎縮をきたしてしまう可能性があります。また、ミトコンドリア細胞膜を保護する作用もありミトコンドリアが障害されるとコラーゲンが分解されて筋細胞が劣化してしまう可能性もあると言われています。

②加齢によるホルモンの変化

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筋肉の発達にはホルモンや分泌系などの生理的な要素も関係してきます。加齢によって筋肉の発育を特に変化しやすいのは以下の3つです。

インスリン

インスリンは血糖値をコントロールする作用がありますが、筋内へ糖質を取り込ませる働きもあります。糖質は、筋肉が収縮するためのエネルギー源なので、インスリンの働きが低下すると筋活動の効率も低下するんです。また、筋肉は糖分を分解・処理する作用があるので、筋肉での糖質使用が低下すると糖分が身体に蓄積→体脂肪の蓄積という負のループに繋がりかねません。高齢になると、このインスリンの働きが低下するので筋肉にも脂肪にも負の影響を与えることになるんです。

・成長ホルモン

成長ホルモンは、骨や筋肉の成長(特に同化作用)を促進させる効果があり、脂肪の分解作用や先ほど述べたインスリン抵抗性にも関与しているといわれています。成長ホルモンは10代をピークに年々減少し、70歳代ではピークの30%まで低下するといわれています。

まぁ~おじいちゃん・おばあちゃんになっても成長されたら高齢化が果てしなく進んでしまいますしね(悲)

・男性ホルモン、女性ホルモン

ここでは男性ホルモンであるアンドロゲン、女性ホルモンであるエストロゲンのことをいい、小~中学校の保健体育の授業などで皆さん一度は聞いたことがあるかもしれません。

アンドロゲンは筋タンパク合成やATP濃度の増加の作用、エストロゲンには骨格筋の糖質利用や脂質代謝など両者ともに筋肉量の維持に関わっている可能性があります。

どちらのホルモンとも加齢に伴い減少するといわれていますが、女性の場合は閉経などのタイミングで一気に女性ホルモンの分泌が減少する可能性がありますので、注意が必要になります。

③加齢による変化を最小限に抑えるには?

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結論、老化は止めることができません!!ですが、生活習慣などで老化の進行を遅らせることは可能だと思っています。そんな私が日ごろから取り組んでいるのはこちら。

・抗酸化作用のある食品を食べる

人間の細胞は呼吸などの酸化ストレスによって減少してしまいます。そのため、抗酸化作用ある食品を摂取することでミトコンドリアや筋芽細胞を破壊を食い止め筋萎縮を遅らせれる可能性があります。私は強い抗酸化作用をもつポリフェノールが豊富なコーヒーやブロッコリー、玉ねぎなどを毎日摂取するようにしています。ポリフェノールが多い食品について興味がある方は以下の記事をご覧ください。

 

www.rehabilitation-gift.com

 

・筋トレをする

 筋力トレーニングやジョギングなど身体を動かすことは、インスリン抵抗性やホルモン分泌を改善させることが分かっています。また、運動の強度を高めた方が高い効果を得られる可能性があると言われているんです。

宇都宮²⁾らは、自転車やジョギング時の成長ホルモンの変化を調査した中で、

成長ホルモンは強度が高い方が多く分泌される傾向があることがわかった。また,成長ホルモンの分泌量を経時的に見ると,強度が高い低いに関わらず,運動後 2 時間以内に分泌されていることが分かった。

 と報告しており、運動強度を高めた方がホルモンの分泌を上昇できるかもしれません。

だからといって、高重量のダンベルや走り込みを行うのはケガや病気の原因になりますので高齢者の方にとっては無理のない範囲で運動をしていただくのが大事だと思います。

 

病気になってからでは遅い!!なる前からの予防が健康寿命を延ばす秘訣だと思いますので、若いうちからコツコツ取り組んでいけたらいいですね。

 

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 ・参考文献

1)福永優子,村上勇磨:筋芽細胞の増殖と分化に及ぼす酸化ストレスの影響.千葉化学大学紀要.12.27-54.

2)宇都宮由依子,橋田誠一:運動強度(METs)と成長ホルモン分泌の関連について.徳島文理大学研究紀要.第 96 号.117-122