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太りすぎは筋トレの効果を低下させる~肥満が筋肥大に与える影響~

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太りすぎは筋肥大の邪魔になる?

筋肥大を目的に筋トレをする際、トレーニングと同等それ以上に重要と言われているのが栄養管理です。

以前は、痩せながら筋肉をつけていきたいという魔法のような考えが流行ったこともありましたが(厳密な管理をすれば可能ではあります)、トレーニングなどで損傷した筋肉を大きく肥大させるには【摂取カロリー>消費カロリー】で十分な栄養を摂取する必要があります。

そのため、筋肉を大きくしたい時期(バルク期)には糖質やたんぱく質などを多く摂取し、筋トレによる筋合成の効果を高めることが重要ですが、いくらバルク期だからといって太りすぎてしまうのは注意が必要です。

食べ過ぎるのもよくないのかぁ~~。それにはどんな理由があるの?

一番の理由は体脂肪がつきすぎることなんだ。体脂肪が増えてしまうと身体にどんな影響があるか今日は紹介していくね。

 

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体脂肪がつきすぎてしまう(肥満)と筋肉に及ぼす悪影響は以下の2点

①筋肥大しにくくなる

②減量時に筋肉も減りやすい                                                                       

①筋肥大しにくくなる

Bealsらは、肥満群と健常群で筋トレ後の筋原線維筋タンパク合成率を体型別に調査した結果、

BMI正常群(年齢:21±1歳,BMI:22±1㎏/m²)の方がBMI高値(年齢:22±1歳,BMI:36±2㎏/m²)より筋原線維タンパク質の合成反応が高い

ことを報告しており、肥満対象者は正常群と比較して食事摂取時の筋肥大効果(筋タンパク合成)が有意に低下することが判明しています。

理由として、肥満になると食事摂取+トレーニング両方における筋タンパク合成率が低下するため正常群より筋肥大の効率が低下しやすくなります。また、肥満は筋肥大を促すといわれるテストステロンやインスリン分泌が減少することも筋肥大の効率が低下する要因と言われています。

②減量時に筋肉も減りやすい

えっ。。ダイエットをするのに体脂肪が関係あるの?

実は関係あるんです。ダイエットをする人はもちろん、バルク期(増加期)で体重を増加させた人は、そこから減量期で筋肉を維持しながら体脂肪を減らしていくと思います。減量期は、【消費カロリー>摂取カロリー】のバランスになり、摂取カロリーでは足りない不足カロリー分を体脂肪などで補填しくことになります。しかし、人間の身体は都合よく体脂肪だけを分解してはくれず、筋肉も分解して不足したカロリーを補おうとしてしまいます。そのため、減量期=筋肉量が減少するので減量期はなるべく短期間にしたほうがトレーニングでつけた筋肉を減らさずに済むんです。もし、バルク期などで過剰に栄養摂取をして体脂肪を増やしすぎると、体脂肪をへらすためにかける期間が長くなる→減量期が長くなってしまう→筋肉量が減少するリスクを上げてしまうことになるので注意が必要です。

じゃあ、一気にダイエットすれば減少期間を短くできるんじゃないの?

それはおススメしません。過度のカロリー制限は、筋肉のもとになるタンパク質やエネルギーのもとである炭水化物をも制限してしまうことになり、筋肉量の減少により拍車がかかることが分かっています。

減量期になるべく筋肉量を維持したいのであれば、体重の5%以下/月のペースで減量をしていくことがおススメです。また、減量期には筋のタンパク合成率が低下するためタンパク摂取を増やした栄養管理が必要だと思います(私は2.5g/㎏で調整しています)。

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以上の点から筋肉をつけたいからといって過度な食事摂取は逆に筋肥大の効率を低下させる可能性があると思います。

最近では、増量期になるべく体脂肪を増やさないリーンバルクという方法が主流にもなっているみたいですが、私にはその知識がないので今後勉強していけたらと思います。これから夏のシーズンに向けて減量に取り組もうとしている方も一つ参考にしていただければと思います。

 

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文献

・小笠原理紀,阿藤聡:運動による骨格筋量改善メカニズムと肥満によるその修飾.

肥満研究.25(2).2019:84-88

・Beals J, et al:Altered anabolic signalling and reduced stimulation of myofibrillar protein synthesis after feeding and resistance exercise in people with obesity. J Physiol.596(21):5119-5133.