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認定理学療法士・NST専門療法士がリハビリに関する内容を書くブログ

足を衰えさせないノウハウ~中高年から始めるサルコペニア予防~

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筋肉を維持して老後も元気な人生に

平均寿命が年々延伸し、高齢者が増加している昨今。健康寿命(病気をもたずに元気な状態 )を延ばす取り組みが国をあげても行われています。特に、企業の定年退職の引き上げで中高年の労働期間が延長し、中高年の健康状態の維持・改善がこれからの課題になってくると思います。

加齢に伴う身体機能の変化で特に問題なのが筋肉量の減少で、倦怠感増悪や行動範囲の縮小だけでなく、転倒による骨折などで健康寿命に問題をきたす可能性があるんです。

そうなんですね~。僕も筋肉をつけてみようかな。

それが出来れば理想だよね~。でも筋肉量を増やすためには栄養×運動の組み合わせや知識が必要になるから好きじゃない人が筋肉をつけるのは結構ストレスだと思うよ

筋肉はつけるのは難しいですが落ちるのは早いです。特に中~高年者に対する高強度のトレーニングは心肺機能にも影響を及ぼしますので、個人的には筋肉量を減少させない(予防)対策が必要かと思います。

本日は、筋肉量を減少させない

 目次

①中~高年者の筋肉量と関連するのは?

②中~高年者の筋肉量を維持する方法は? 

①中~高年者の筋肉量と関連するのは?

加藤ら¹⁾は50歳以上の勤労者307名を対象に筋肉量と関連のある因子の調査を実施し、

中高年勤労者における下肢骨格筋指数はBMIと正に相関した。下肢筋肉量の維持には体重の管理が重要だと推察した。

運動への関心が高くて運動している者ほど、菓子筋肉量が多くなる関連を認め、過去の報告を支持する結果であった。 

と報告しており、体重が重く・運動意欲が高く実際に身体を動かしている人は年を重ねても筋肉量が維持できていることが判明しました。

体重に関しては、栄養を十分に摂取することで筋肥大に必要な栄養素の補給が出来ている点、筋タンパク同化作用が優位になっている点などが要因と考えられます。運動に関しても筋タンパク合成の促進や成長ホルモンなどの分泌系統の改善などが要因になっていると考えます。

②中~高年者の筋肉量を維持する方法は?

ではどのような取り組みをすれば筋肉量は維持できるのか?

私がリハビリ対象者にお伝えしている方法は3つになります。

痩せすぎないように体重を維持する

以前の記事でも紹介しましたが、筋肉量を萎縮させないためにはタンパク質や炭水化物などの栄養素が必要になります。

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 一気に痩せようとして過度なカロリー制限をしてしまうと体脂肪だけでなく骨格筋の分解も促進され、筋肉量が減少してしまう可能性が高くなります。これは、消化管の蠕動運動の機能低下やそれによる食欲増進ホルモンのグレリンの分泌低下など高齢者特有の理由で食事の食べる量が減少してしまいます。

特に、胃や小~大腸の病気で消化器を切除した対象者にこの傾向を感じます。若いときは太りたくないと思っていたが、年をとると太りたいと思う対象者は結構多いんですよ。

体脂肪(特に内臓脂肪)をつけすぎない

では体重をきにせず栄養を摂っていいのか?実はこれもNGなんですね。

先ほど紹介した加藤らの研究で

体脂肪の増加に伴う体重の増加は、むしろ生活習慣病などの健康阻害リスク を高めるため、留意が必要だと推察した。内蔵型肥満傾向を示す内臓脂肪/皮下脂肪面積比は下肢骨格筋指数と負の関連を示した。

と報告しており、内臓脂肪の蓄積は筋肉量の減少をもたらす可能性があるんです。内臓脂肪の蓄積はインスリン作用を低下させるといわれており、インスリン作用低下が筋タンパク合成作用の低下に繋がるため、過剰に栄養摂取をするのも良くないと私は思います。

また、体脂肪は筋肥大の効率を高めるともいわれており、興味がある方は以前の記事をご覧になっていただければと思います。

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適度な運動を継続する

運動といってもダンベルを使用した高負荷トレーニングから太極拳などの低負荷トレーニングなど種類は様々です。私がリハビリ対象者に提案する運動はジョギングや自重トレーニングなどの低負荷なメニュー(有酸素運動)になります。

有酸素運動は、骨格筋におけるインスリン作用の改善や炎症軽減の効果があり、筋肥大を高める効果が期待できるんです。筋肉量が多い人(ジムでトレーニングをしている人)には有酸素運動をしても筋肥大の効果は期待できませんが、中~高年者筋肉量を維持するには十分な運動だと思います。

世界保健機構は有酸素運動を1回10分以上で75分以上/週すると健康維持の効果があることを報告しています。毎日15分程度家の周りを散歩するのはもちろん、家の掃除などで掃除をするのも有酸素運動になると思いますので、毎日習慣的に運動する癖をつけることが重要になってくると思います。

 

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文献

1)加藤剛平,他:中高年勤労者の下肢筋肉量に関連する因子とその現象に対する予防策.日職災医誌,67:487-494,2019